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性感染症「腟トリコモナス症」とは
2016年10月07日
以前に性感染症についてのおさらいと「クラミジア感染症」についてご案内させていただきました。
今回は「腟トリコモナス症」についてご案内いたします。
性感染症「腟トリコモナス症」
腟トリコモナス症の原因は、トリコモナスと呼ばれる原虫です。
この原虫が膣に感染し、炎症を起こします。
クラミジア感染症や淋病と比べると近年では感染者の数は減少傾向にはありますが、性交渉で簡単に感染してしまい、一度感染・発症すると放置しても自然に治ることはなく、何度も再発する厄介な疾患です。
クラミジア感染症などは若年層に非常に多い性病ですが、膣トリコモナス症の場合は高齢者でも見られるなど、感染者の年齢層が幅広いのが特徴です。これは性交渉以外の感染経路(下着、タオル、バスルーム、トイレの便座、浴槽など)もあることから、性交経験のない女性や幼児にもしばしば感染がみられ、感染者の年齢層の幅が広い理由となっています。
主な症状
・悪臭の強いおりものの増加
・外陰・腟の刺激感やかゆみ
などがあげられます。
クラミジア感染症と同じく、女性の半数位しか症状を感じない(無症候性感染)と言われています。
トリコモナス原虫がいると膣本来の自浄作用が抑制されてしまい、においの元になる細菌類が増殖し、膣表面に炎症が発生します。
このような自覚症状が出た場合、早期に発見・治療を行うことにより、膣の自浄作用によって症状は比較的速やかに改善されます。その反面、症状が現れない方は感染に気付かず、炎症が卵管にまで進んでしまい、最悪の場合、不妊や流産・早産を招く可能性があります。
膣トリコモナス症は知らないうちに感染していることがあるので、パートナーと自分自身の健康のためにも、しっかりと予防のポイントをおさえておきましょう。
主な感染原因の性行為にはコンドームの使用が有効です。ただし、コンドームは予防法としては有効ですが、手や口などを介して感染することもあるので、十分な注意が必要です。
またプールや温泉などの多くの人が共同で使用する施設などでは、水中感染の可能性があるので、他人の使ったシャワーや椅子などは洗ってから使用するようにしましょう。
検査・治療
膣トリコモナス症もクラミジア感染症と同じくお互いに感染しあう「ピンポン感染」を起こすので、必ずパートナーも同じタイミングで検査をして治療に臨むようにしてください。
おりものの増加、外陰・腟の刺激感やかゆみなどの自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。投薬での治療が主ですが、膣の炎症に対する治療効果を高めるために、膣錠の挿入、軟膏の塗布による治療を併用することもあります。