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更年期と女性の高血圧
2019年12月28日
■更年期になると高血圧になる?
高血圧と聞くと「自分は低血圧だから大丈夫」と思われる方も多いでしょう。若い頃から血圧が低い方は、健康診断でも低血圧と診断されてきたので、高血圧とは無縁だと考える人が少なくありません。
ですが、そうした低血圧の女性であっても、更年期になると高血圧になる可能性があります。
30代までは低血圧の人が多く、高血圧の人は全体の数%ですが、40代から徐々に増え始め、50代では半数が、60代では7割の女性が高血圧になるなど、更年期を境に高血圧になる人は急増します。
ですが、多くの女性が更年期に高血圧になっているにも関わらず、若い頃は低血圧だったことから自分が高血圧になっているとは思わないため、体調不良などが理由で診察を受けた際に血圧測定をして、はじ めて自分が高血圧であると知る方もいらっしゃるほどです。
なぜ更年期に高血圧になるかというと、肥満や運動不足といった理由のほかに、女性ホルモンの乱れによって血圧をコントロールしている自律神経に影響を及ぼしているからと推定されています。
また、めまいや頭痛、イライラや睡眠不足といった更年期の症状によって血圧が変動しやすく、血圧が上昇することで不安やストレスが増すため、さらに血圧が上がるといった悪循環に陥りやすいことも原因の一つです。
■対策、治療
更年期の高血圧対策として、日常生活での運動習慣やバランスの取れた食生活、十分な睡眠が大切です。ストレス解消も大切で、心身ともに負担のかからない生活を心がけるようにしましょう。
妊娠時に高血圧になった経験がある方や、家族に高血圧症の方がいる場合は特に血圧が上がりやすい可能性があるので日頃から対策を心掛けるようにしましょう。
「もしかしたら更年期高血圧かも?」と思われる場合には、放置しないことが大切です。高血圧は慢性化する場合もあり、高血圧症になると動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞といった重大な病気を引き起こす可能性があります。
血圧が不安定で変動しやすい場合には更年期高血圧を疑って早めにクリニックを受診してください。めまいや動悸、頭痛、イライラや不安感といった多くの症状を併発することが多いので、どういった症状が出ているのか、どの症状を優先して治療していくのかなど、細かく相談しながら治療を行っていきます。