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ホルモン補充療法と生活の質

2020年02月08日

今回はホルモン補充療法と生活の質についてお伝えします。ともこレディースクリニック

■女性の生活の質を上げるホルモン補充療法
HRT(ホルモン補充療法)は、不足している女性ホルモンを必要量に合わせて補充する方法です。世界の更年期医療では一般的な治療方法として、先進国を中心に多くの女性に使用されています。
しかし、日本では正しい情報が十分に広まっていないため不安を感じる人も多く、普及はまだまだ遅れている状態です。
日本でのHRT普及率はわずか1.5%と非常に低く、先進国の中でも最も低く、アジア諸国の中で比較しても最も低い普及率となっています。

HRTではのぼせやほてりといった更年期症状の改善だけでなく、更年期以降に起こりやすい動脈硬化や骨量減少をおさえ、高齢期の冠動脈疾患や脳梗塞、骨量減少による骨折、寝たきりの予防につながります。女性のQOL(生活の質)を上げ、健康寿命を延ばすことは、高齢社会における医療費の節約にもつながります。
2009年に日本産婦人科学会・日本更年期医学会(現・日本女性医学学会)により、「ホルモン補充療法ガイドライン」が発刊され、HRTはより安心して使いやすい治療法となっています。

■HRTのメリット・デメリットは?
HRTの副作用として不正出血、乳房のハリや痛み、おりもの、下腹部のハリ、吐き気といった症状が現れる場合があります。ですが、これらは薬の頻度や量の調節を行うことで改善できることがほとんどです。
HRTのメリットほかにもHRTによって乳がんの発症を増加させると思っている方もいらっしゃるかもしれません。これは海外の研究結果である「HRTを5年以上投与した場合、乳がんのリスクは26%増加する」と発表したことが元になっています。
しかし、専門機関が再解析したところ、「5年以内の使用では乳がんリスクななく、7年以内でも明らかなリスクはない」と、HRTにおけるリスクは見直され、更年期の女性にとって、よりメリットの多い治療として再評価され、血管運動神経症状、萎縮性腟炎、性交痛の治療、骨粗しょう症の予防と治療といったメリットが大きいとしています。

HRTのリスクやデメリットについては、現在も解析が進められています。治療を考えているけれど、気になることがあるという場合は相談してください。

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