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HRTに伴う副作用と気になること
2015年04月25日
★HRTに伴う副作用と気になること★
2014年09月26日更年期の記事ではホルモン補充療法(HRT)による治療方法についてお話しましたが今回は副作用などをお話していきます。
● 出血
HRTの投与方法には周期的投与法と持続投与法の2つがあります。
一般に、閉経から5年以内の人は周期的投与法となり、30日間投与のうち後半10日間に黄体ホルモンを併用すると消退出血が起こります。
消退出血とは、子宮内膜は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きによって増殖しますが、これらのホルモンが減少(消退)すると、内膜がはがれて出血を起します。こうしたホルモンの減少に伴って起きる出血を「消退出血」といい、月経も消退出血の一種に入ります。
閉経から5年以上の人は、少量のエストロゲンとプロゲステロンを毎日服用する連続投与になりますが、一時的に不正出血が起こることもあり、出血が鬱陶(うっとう)しいという場合は、医師と相談して、薬の量を調整してもらうなど、対策を考えましょう。
● 乳がんの問題
HRTの治療を続けていると乳がんの発症を増加させると思っていて躊躇される方も多いと思われます。
アメリカのNIH(国立衛生研究所)による2002年の報告では、5年以上エストロゲンと黄体ホルモンを併用したホルモン補充療法を行った場合では、乳がんのリスクがわずかに上昇するといわれています。エストロゲン単独のホルモン補充療法では乳がんの増加は認められていません。さらに、国際閉経学会などの専門機関による再解析では「5年以内の使用では乳がんリスクはなく、7年以内でも明らかなリスクはない」という結果が出ています。
● 乳房痛
エストロゲンや黄体ホルモンの作用で、月経の前のような胸の張りや痛みを感じる人も沢山いますが、症状の起こり方には個人差が見られます。一時的に症状が起こり、しだいにおさまるというケースがほとんどです。
● 腹痛、胃痛、むくみなどの症状があらわれる
妊娠初期のような不快な症状が起こることもありますが、乳房痛と同じように、個人差があり、体が慣れるとしだいに症状が治まります。ただ、症状が治まらずつらい時は医師に相談し、薬の量を減らすなど調節してもらうといいでしょう。