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卵管炎・卵巣炎について
2020年03月28日
■卵管と卵巣
卵管は子宮の上の部分(子宮底部)からのびる7~12cmの管で、卵子と精子、受精卵の通り道になります。卵巣は子宮の両脇にあり、赤ちゃんのもとになる卵胞がつまった臓器です。この卵管や卵巣が炎症を起こす病気が卵管炎・卵巣炎です。
■原因
卵管は炎症を起こしやすく、また、炎症が起こった場合に卵巣にまで炎症が及ぶことが多いです。卵管と卵巣を合わせて子宮附属器と呼ぶことから、卵管炎と卵巣炎を合わせて子宮付属器炎ともいいます。
炎症の原因には大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌といった感染症になります。人工妊娠中絶や流産・出産時・タンポンの長時間使用のほか、性行為などで腟に感染します。多くの場合には膣炎から子宮頚管炎、子宮内膜炎と炎症が広がって付属器に炎症を起こします。
このように下から上に広がる感染経路は上行感染といわれ、付属器炎がさらに広がると骨盤腹膜炎を引き起こします。
急性期には高熱や激しい下腹部痛といった症 状があり、おりものが増えるようになります。炎症が慢性化すると高熱や下腹部痛の症状は治まりますが、卵管が周囲の臓器と癒着したり、卵管内に膿がたまるなど、不妊や子宮外妊娠の原因になります。
■治療
・急性期になるべく早く抗生物質や消炎剤での治療を行う
・安静にする
以上が大切になります。症状が強いときは入院して治療します。
通院して治療する場合や退院後も、完治するまではできるだけ安静にし、入浴や性行為も医師の指示に従って控えるようにしましょう。
また、症状がおさまったからと途中で治療をやめてしまうと、慢性化や習慣化をまねき、ほかの臓器との癒着がより悪化してしまうこともあります。薬物治療や安静では症状が改善しない場合には手術をして病巣を取り除かなければならない場合もありますので、くれぐれも注意をしてください。