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甲状腺の病気について

2018年10月13日

今回は甲状腺の病気についてお伝えします。ともこレディースクリニック

■甲状腺って?
甲状腺はのどぼとけの下にあり、蝶が羽を広げたような形をして気管を包んでいる臓器です。とても小さな臓器ですが、血液中に甲状腺ホルモンを分泌し、新陳代謝を正常に保つ働きや、栄養素からエネルギーを生み出し、体内で利用できるようコントロールするといった重要な役割を担っています。
この甲状腺のホルモンの分泌が正常に行われなかったり、炎症が起きるのが甲状腺の病気で、女性にとても多く、月経異常や不妊、流産の原因になることもあります。また、だるさや無気力になるといった不調も甲状腺の病気が原因の場合があります。

■甲状腺の病気のタイプ
甲状腺の病気は主に以下の3つの種類があります。

だるさや無気力になる症状・甲状腺機能の異常
甲状腺の機能が過度に高まったり、逆に低くなるのは甲状腺機能に異常が発生しています。甲状腺の機能が高まり、血液中の甲状腺ホルモンの量が多い状態を「甲状腺機能亢進症」といい、代表的な病気にはバセドウ病があります。バセドウ病は自己免疫疾患と考えられており、喉(甲状腺)が腫れる、動悸がする、眼球が飛び出して見えるといった症状がでます。
一方甲状腺の機能が低くなり、血液中の甲状腺ホルモンの量が少ない状態を「甲状腺機能低下症」といい、代表的な病気には橋本病があります。橋本病も自己免疫疾患と考えられており、体のだるさやむくみ、無気力といった症状がでます。

・甲状腺の炎症
甲状腺に痛みや発熱を伴う炎症が起こる病気で、「急性化膿性甲状腺炎」「亜急性甲状腺炎」「慢性甲状腺炎(橋本病)」の3つがあります。急性化膿性甲状腺炎は細菌感染によって炎症を起こし、甲状腺が痛みます。
「亜急性甲状腺炎」は症状としては甲状腺に腫れや痛み、しこりなどが起こります。はっきりとした原因はわかっていませんが、ウイルスによるものが原因とされています。急性と比較した場合、亜急性は中年女性に多く発症し、治りの早い病気と言えます。
甲状腺の異常として紹介した橋本病も「慢性甲状腺炎」と呼ばれる炎症を起こすため、甲状腺炎の1つとして数えられます。

・甲状腺の腫瘍喉にある器官
甲状腺の腫瘍の多くは治療を必要としない良性のものです。初期の甲状腺腫瘍は自覚症状がほとんどなく、腫瘍が大きくなると、首の腫れやしこり、ものを飲み込むときに違和感などの症状が現れることがあります。
近年になって乳がん検診時に行われる超音波検査の普及により、検査の際に甲状腺の状態もわかるようになったため、ごく初期の腫瘍も発見できる ようになってきています。

■治療法
症状にあった薬物治療を中心に行います。バセドウ病の治療には、甲状腺機能を抑える薬での治療を行います。ほとんどの人は2~3週間で動悸などの症状が改善しますが、再発の可能性もあるのでその後も1~2年は薬を飲み続けるようにしましょう。
橋本病の治療には、不足している甲状腺ホルモンを補充する薬での治療になります。バセドウ病と同様に症状が改善された場合であっても、甲状腺の機能が正常に戻ったわけではないので、薬を飲み続ける必要があります。
甲状腺の炎症は自然に治る場合がほとんどですが、症状がひどい場合は抗生物質や痛み止めでの処置を行います。
甲状腺の腫瘍がある場合、良性であれば治療は必要ではありませんが、悪性の腫瘍だった場合は手術によって切除・摘出を行う必要があります。抗がん剤が効きにくいことが多いので、多くは手術によって甲状腺の部分切除、またはすべてを摘出する必要がある場合もあります。

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