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膀胱炎と月経、妊娠、出産の関係
2018年09月15日
■月経との関係
普段膣内は雑菌が繁殖しないように酸性に保たれていますが、月経が始まると女性ホルモンであるエストロゲンが低下し、膣内を酸性に保つ働きのある常在菌が減ってしまいます。月経中は膣内に雑菌が繁殖しやすく、膣内に大腸菌などの細菌があると増殖し、膣と隣り合っている尿道口にも菌が入り込んでしまうと、尿道口で繁殖した雑菌によって膀胱炎が発症してしまう場合があります。
また、汚れた生理用品は細菌が増殖しやすいので、こまめに取り換えるようにして、菌が増殖しないように気を付けましょう。
■妊娠との関係
細菌などの異物が体内に入り込まないように、身体にはもともと細菌感染に対する免疫が備わっています。ですが、妊娠をするとお腹の中の異物である赤ちゃんに影響が及ばないよう、この免疫が普段より抑制されるようになっています。そのため妊娠中は身体の抵抗力が落ち、様々な菌に感染しやすく、さらに妊娠中に分泌されるおりものの量が増加することで細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
さらに妊娠後期になると、赤ちゃんの成長によって子宮が膀胱を圧迫し始めるようになり、膀胱の収縮のコントロールがうまくできない状態が続くと、頻尿や完全に出し切れなかった尿によって膀胱内で細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎が発症する要因になります。
妊娠中は普段以上に膀胱炎になりやすい要因が揃っているので、我慢せずにこまめにトイレに行くことや、下着を頻繁に変えて清潔な状態を保つようにしましょう。
■出産との関係
出産の際の負担により、一時的に膀胱の機能が正常に働かなくなる場合があります。尿意を感じたり、尿を出したり、膀胱内に適切な量の尿を貯めておくといった機能が働かなくなり、結果尿を長く膀胱内に留めておくことになってしまい、膀胱炎になりやすくなってしまいます。
また、出産時に会陰切開や裂傷があると、傷口から細菌が入ったり、傷の痛みで排尿を我慢してしまうことなども膀胱炎につながります。
出産後には急性膀胱炎発症の要因がたくさんありますので、普段以上に気を付けるようにし、なるべく排尿後には毎回消毒を行う、水分を十分に摂ることを心掛けるようにしましょう。
■治療・予防
膀胱炎になってしまった場合は病院で処方された薬での治療が基本となります。薬での治療を行いながら、膀胱炎にならないようにするためにご自身でできる予防対策を日頃から行うようにしましょう。
・水分をたくさんとる
膀胱炎の原因となる細菌を膀胱内から早く追い出すために、水分をなるべく多くとるようにしましょう。またトイレはなるべく我慢しないようにして、尿意がない場合であっても3~4時間に1回はトイレに行くようにしましょう。
・体を冷やさないようにする
女性にとって冷えは大敵です。冷えによって体の免疫力が低下してしまうと、細菌の侵入や繁殖を抑えることができません。冬場はもちろんのこと、クーラーによって部屋が冷やされる夏場も、冷え対策を怠らないようにしましょう。
・疲れや睡眠不足、ストレスをためない
疲れや睡眠不足、ストレスなども免疫力が低下する要因の一つです。細菌の感染や増殖を抑えるためにも、普段から規則正しい生活を心がけ、適度な運動を行うようにし、リラックスできる環境づくりを心がけましょう。