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卵巣のう腫について
2017年12月08日
■卵巣のう腫とは
卵巣にはさまざまな種類の腫瘍ができます。卵巣のう腫もそのひとつで、卵巣にできた腫瘍が大きく腫れてくる病気です。そのほとんどが良性の腫瘍であり、もっとも多くできるのが卵巣のう腫になります。
主な症状にはお腹の張りや、下腹部痛、不正出血、腰痛、頻尿、便秘などがあり、左右どちらかの下腹部痛が初期症状としてみられます。ほかにも腫瘍が大きくなってくると、下腹部の張りが原因でスカートやズボンなどの履物の着用のさいに、締め付けられるように感じるようになります。
卵巣のう腫は自覚症状があらわれにくく、腫瘍が大きくなるまでは気が付かないことも多い病気です。ほかの病気の検査や検診で偶然発見されることも少なくありません。
にぎりこぶし大以上の大きさに腫瘍が腫れてくると下腹部痛などの症状があらわれ、それがさらに大きくなると、「茎捻転(けいねんてん)」と呼ばれる卵巣が根元からねじれてしまう状態になることもあります。茎捻転は突然下腹部に激しい痛みが起こる、ショック状態に陥る、嘔吐するなどの症状が起き、ねじれた部分の血管がつぶされて血液の循環ができなくな り、卵巣が壊死してしまう可能性もあるので、早めの治療が必要となります。
■原因、治療法
卵巣のう腫ができる原因は、医学的にはまだ解明されていません。また、腫瘍と聞くと中年期や更年期の方に多いイメージがあるかもしれませんが、卵巣のう腫は若い方でも発症する病気です。
卵巣にできる腫瘍は多くが良性なので、発見されてからもまだ小さいうちは経過観察になることが多いですが、一度良性と診断された後であっても、腫瘍の種類によってはその後悪性に変化することもあります。
もしも卵巣に腫瘍が発見された場合、大きさが5~6cm以上の場合や悪性の疑いがある場合は手術を行うことになります。手術には、のう腫だけを摘出する「のう腫核手術」と、他の臓器との癒着がみられた場合などに行う「付属器摘出手術」があります。
卵巣はふたつあるため、もしも手術で片方の卵巣を取り除かなければならなくなったとしても、残った卵巣が働くので妊娠、出産は可能です。
ですが、早期発見、早期治療で手術をせずに済む場合もありますので、クリニックでの定期検診をなるべく受けるようにしましょう。