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卵管炎・卵巣炎について
2016年02月13日
卵管炎および卵巣炎は言葉の通り、卵管や卵巣が炎症を起こす病気です。これらを合わせて子宮付属器炎といいます。
原因は?
卵管はとても炎症を起こしやすく、同時に卵巣にまで炎症が及ぶことがほとんどで、炎症の原因となるのは、大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌などの感染症です。
人工妊娠中絶や流産・出産時・タンポンの長時間使用、性行為などで腟に感染し、多くの場合、膣炎から子宮頚管炎、子宮内膜炎と炎症が広がって付属器に炎症を起こします。このように下から上に広がる感染経路は上行感染といわれ、付属器炎がさらに広がると骨盤腹膜炎を引き起こします。
このほかにも、急性期から1~2週間後には慢性化したり、周囲の臓器との癒着によって卵管が狭くなったり、ふさがったりすれば不妊症の原因になるほか、卵管に膿がたまる卵管溜膿腫、水がたまる卵管溜水腫なども引きおこします。
症状は?
症状は急性の場合では、下腹部痛や腹部の膨満感とともに、38~39度の発熱、吐き気などがあります。とくに、下腹部を押すと強い痛みを感じます。また、出血や黄色い膿のようなおりものをともなうこともあります。
慢性化してしまった場合には、熱は下がるものの、周囲の臓器との癒着による月経痛、腹痛、腰痛、排便痛、排尿痛などがあります。
治療方法は?
治療は急性期になるべく早く抗生物質や消炎剤での治療を行うことが重要です。同時に安静も必要なので、症状が強いときは入院して治療します。
通院して治療する場合や退院後も、完治するまではできるだけ安静にし、無理は禁物です。入浴や性行為も医師の指示に従ってひかえるようにします。
症状がおさまったからと途中で治療をやめてしまうと、慢性化によりほかの臓器との癒着がひどくなってしまった場合や、薬の投与と安静では症状が改善しない場合には、手術をして病巣をとり除くこともあります。