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卵巣がんについて
2015年11月27日
卵巣腫瘍については以前ご案内させていただきました。
(「卵巣腫瘍について」2014年12月26日投稿記事)
今日 は、腫瘍ががん化した「卵巣がん」についてをご案内させて頂きます。
どんな病気?
卵巣にはさまざまな種類の腫瘍ができますがその多くは良性です。しかし閉経後は悪性である可能性が高くなります。
卵巣の悪性腫瘍にもいくつか種類があり、代表的なものは卵巣の表層をおおう細胞が、がん化した「上皮がん」です。ほかにも卵子のもとになる胚細胞が、がん化した「胚細胞腫瘍」、ホルモンを作る細胞が、がん化した「性索間質性腫瘍」などがあります。しかし一般的には全体の80%以上を占める上皮がんを卵巣がんと呼ばれます。
卵巣がんは40~60代の女性に多くみられ、特に未婚、不妊症、出産経験が少ない、初潮が早かった、卵巣機能に異常があった、肥満、糖尿病、高血圧、動物性脂肪を多く摂取する、喫煙する、などの条件に該当する人ほどかかりやすいといわれています。
日本人女性の卵巣がんの発生率は、世界的には低い部類に入ります。しかし、食生活の欧米化、晩婚化、出産年齢の高齢化などを背景に、年々患者数が増え続けているのが近年の傾向でもあります。
卵巣はからだの奥にあるため、異常を見つけるのがむずかしく、症状が出て異変に気付いた時点ではすでにがんは進行しており、対処できないことが多いです。
そうなる前に、病院では、さまざまな検査を行って調べますが、どれも確定検査の決め手にはならず、最終手段として卵巣を摘出して病理検査を行うこともあります。それほど、卵巣がんは診断がむずかしい病気なのです。
卵巣がんは進行すると卵管にも広がりますが、まれに卵管にがんが発生する場合もあります。しかし、卵管がんも卵巣がん同様、初期にはほとんど無症状で、卵巣がんを疑って手術をしたら、実は卵管がんだったというケースが大半です。発覚時にはすでに腹腔内に転移している場合も多いのが特徴です。
症状
初期に自覚症状はなく、卵巣が大きくなると膀胱や直腸を圧迫するので、頻尿、便秘、下腹部痛などがおこります。進行すると、月経異常、不正出血、腹水などの症状が出ます。こうなると、がんは腹腔内から全身に転移しています。
治療
治療の基本は切除手術と化学療法です。初期では腫瘍のあるほうの卵巣と卵管を切除するだけですが、進行している場合は両方の卵巣と卵管だけでなく、子宮リンパ節なども切除します。卵巣がんの診断はむずかしくても婦人科の検査である程度の判定は可能です。