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子宮内膜症の検査について
2014年11月21日
子宮内膜症の症状には個人差が見られます。例えば、病状がそれほど進行していなくても非常に強い痛みを感じる人がいる反面、逆に病状がかなり進行していてもあまり自覚症状の無い人もいるようです。
そのため、不妊症等で受診した時に、初めて子宮内膜症が発見される事も珍しくありません。
婦人科での定期的な健診を受けることはとても重要なことです。
問診・内診・経膣超音波検査・血液検査・MRI等 を
行い状態を確認します。
問診
・既往歴
・家族に婦人科系の病気(子宮がん、子宮筋腫 など)があったかどうか
・症状や始まった時期や程度
・月経の量、不正出血の有無
・月経の周期
・月経の期間
・妊娠の有無
・初経の時期
・現在、内服中の薬の有無
・痛みについてどこがどのように痛むのか、月経周期との関係性について
(月経時に痛むのか、慢性的に痛むのか、など)
・おりものの状況(量や性状)
・初潮の年齢、生理周期(何日周期か、規則的か)、直前の生理の開始日・生理期間
・性行為の有無
などです。
婦人科に来られた場合は、上記の症状などを問診票で尋ねられますので予め自身の状況を把握しまとめて受診されればいいでしょう。
内診
子宮内膜症の内診は、内診台に上がり膣から子宮にかけて診察を行います。
内診はもっとも的確な診断が出来る方法で得られる情報も沢山あります。
膣に膣鏡という筒状の器械を入れて、医師が実際に膣の中をみて触れて診察します。
子宮の硬さや子宮内膜症のある人にも見られる子宮筋腫の有無、卵巣の異常があるかどうかを指を入れて触診をします。
性行為の経験が無い場合、内診は行わずに肛門から診察することもありますので、どうしても内診が嫌な場合は医師にその思いを相談して下さい。
また、内診は下着を脱ぎますのでズボンよりもスカートを履いていくことをお勧め致します。
超音波検査は、人の耳には聞こえないとても高い周波数の音波をあてることで、痛みや苦痛を感じずに体の中の状態を調べる検査です。
膣の中から棒状の器械を入れて超音波を発生させると、子宮や卵巣の大きさ・位置、コブのようなものがないかを調べます。
この検査は、子宮や卵巣を調べる検査としてはとても効果的なものです。
それは、プローブと呼ばれる検査機器を直接膣の中に挿入し、至近距離から子宮や卵巣を観察することができる検査だからです。
そのためこの検査では、子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮の疾患や、卵巣がんや卵巣嚢腫(チョコレートのう腫も含む)といった卵巣の疾患や、しかも通常発見が困難な小さな腫瘍を発見することも可能です。
男性医師からこの経膣超音波検査を受けることに恥じらいや抵抗がある方は女性医師の医療機関で受診して下さいね。
血液検査
子宮内膜症の検査にはいくつかの種類がありますが、その中で最も手軽に行える方法が血液検査で、主に貧血の状態や、腫瘍マーカーなどを調べます。
貧血は、血液中のヘモグロビンという物質がどれくらいあるかで分かります。腫瘍マーカーは、がんの細胞を利用してつくられた検査方法で、一般的にはがんがあると数値が高くなります。
血液検査(腫瘍マーカー)は、血中の「CA19ー9」「CA72ー4」「CA125」という物質があり、この数値が高い場合は子宮内膜症の可能性があります。
このうち、CA125は保険の適用となるため、費用的に安価に行えますが、診断率はおよそ50%以下の確率だと言われています。
例えば、生理中は血中のCA125数値が高くなるので、生理の時に血液検査を受けると、検査結果に影響があります。
CA125は本来は卵巣癌のための腫瘍マーカーで子宮内膜症の検査においては、あくまで補助的な判断材料となります。
また、CA125の数値が低くても、子宮内膜症である場合もあるので、超音波検査やCT、MRIなどを必ず合わせて受けることをおすすめしています。
血液検査だけでは判断は難しく適切な治療法につながりませんので、超音波検査も合わせて受けたほうが良いと思います。
MRI検査
CTは、X線とコンピュータを使って体の断面を映し出し、子宮や卵巣の状態を映し出します。
狭い空間でじっとしていなければなりませんが、痛みはまったくありません。
MRIは、磁気を使って体の断面像を、縦・横・斜め角度から映し出し、内膜症病変の位置や癒着の状態などを確認します。子宮内膜症の検査としては、CTよりもMRIが有効とされています。狭い空間にじっとしていなければならず、撮影中にはとても大きな音がしますが、痛みなどはありません。
MRIでは超音波検査よりも詳しい画像が見られますので、より詳しくお腹の中の状態を見ることが出来ます。しかし子宮内膜がどこにどれくらい増殖しているか、あるいは他の臓器などが癒着しているか、というところまでは分かりません。
多くはこれらの検査を受けることで、子宮内膜症の可能性があるかどうかが分かりますが、場合によっては入院して詳しく調べることもあります。
どのような検査や治療が、何故必要なのか、しっかり確認する必要があります。