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骨盤腹膜炎について
2017年11月04日
■骨盤腹膜炎ってどんな病気?
卵管炎および卵巣炎からの感染による炎症が骨盤腔に広がったものを骨盤腹膜炎といいます。高熱やはげしい下腹部痛、おりものや不正出血などが主な症状ですが、下腹部の痛み方が似ていることもあり、虫垂炎とまちがえられやすい病気ですので注意が必要です。
腹膜炎は気付かずに治療が遅れてしまうと、さらに炎症が進行していき、細菌が血液に入って全身に回る敗血症まで引き起こすこともあります。敗血症は命にもかかわってくる病気になりますので、早めの治療が重要と言えます。
また、性感染症による骨盤腹膜炎が増えており、特に性器クラミジア感染症によるものがたいへん多いです。骨盤腹膜炎は激痛を伴うことや、完治するまでにとても長い時間がかかりますので、炎症がまだ軽いうちに治療を始めることはもちろん、性感染症にならないよう予防することが大切です。
■治すには
骨盤腹膜炎による高熱や激しい痛みがある場合は、絶対安静が必要となります。治療には入院をして抗生物質の投与を行い、高熱や激しい痛みが治まるまでの2週間ほどの安静が必要となります。
炎症がひどく、おなかにうみがたまっている場合は、開腹手術でうみを出す、ドレナージと呼ばれる腹腔内に誘導管を挿入してそのまま留めておき、そこから腹腔にたまったうみなどを体外に取り出す方法で処置を行います。
骨盤腹膜炎は症状がよくなっても、骨盤内の臓器に癒着が残ることがあり、下腹部の痛みや性交痛などを引き起こします。また治療が長引いたり、再発を繰り返した場合、不妊や子宮外妊娠のリスクが高くなりますので、完治するまできちんと治療をつづけましょう。
完治した後は感染症への予防、骨盤腹膜炎を引き起こさないように早期の段階での治療を心がけるようにしてください。