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子宮脱について
2017年01月21日
今回は女性のライフステージにおいて直面する様々な要因から患ってしまう、子宮脱についてご説明いたします。
子宮脱って?
子宮脱とは、子宮脱骨盤内臓器脱という疾患の一つで、字の通り『子宮、直腸などが膣から出てきてしまう疾患』です。
子宮が膣から出てしまうと聞くと不安になると思いますが、早期発見で治療が可能な疾患です。原因や症状を理解し、早めの治療を心がけましょう。
子宮脱の原因
子宮脱になる原因で最も多いのが出産です。特に出産を何度も経験した女性が高齢化した時に起こりやすく、閉経後にはおよそ2割の女性が子宮脱を患っているともいわれています。
出産する際、子宮を支える靭帯(じんたい)に力が加わり、ダメージや断裂が発生することが主な原因ですが、加齢によって女性ホルモンの分泌が低下して子宮周辺の組織が変化して、その結果子宮脱が起こりやすくなってしまいます。
出産後の立ち仕事や骨盤への負荷が大きいような力仕事をする、肥満体質の方や、便秘で日頃から強くいきんで排便している方も子宮脱のリスクが高く、骨盤底筋群の筋力が弱まったり傷ついたりすることによってになります。
他にも子宮以外の骨盤内の手術もリスクの要因として挙げられます。直腸や膀胱、大腸の末端にあるS状結腸の手術などでダメージを負うと、子宮脱になりやすくなるので注意しなくてはなりません。
子宮脱になった場合
症状の軽い「子宮下垂」程度だと自覚症状がありません。症状が進行すると膣に異物感や、お腹に力を入れた時などに子宮が出てきて外陰部に触れるようになるなど、自覚症状が出てくるようになります。完全子宮脱になると膣自体も外に出てしまった状態になります。
子宮脱が起こると下着に子宮が擦れ、ただれたり炎症や感染を起こしやすくなります。また子宮が下りてくると様々な器官を圧迫し、尿道や膀胱の圧迫による尿路の障害などが起こり、日常生活に支障をきたすようになります。
子宮脱の予防・治療
子宮脱を予防する為には健康的な生活をするのが一番です。子宮脱は長い時間をかけて進行しますので、将来の子宮下垂や子宮脱を予防するためにも、食生活に気を配り、適度な運動をしながら、骨盤底筋体操の習慣化や健康的な生活を心がけるようにしましょう。
もし子宮脱になってしまった場合でも、早期発見できればシリコン製のリングを膣内に挿入し、下垂している子宮や膀胱・直腸を骨盤内へ押し上げることで症状が改善されます。ですが症状が進行してしまった場合は手術が必要になってくる場合もあります。
子宮脱は早期発見、治療ができれば子宮自体にダメージを負うことなく治療が可能です。
子宮脱の予防に努め、もしも症状がある場合は恥ずかしがらずに、早めにクリニックを受診してくださいね。