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子宮内膜症について
2014年10月03日
どんな病気??
子宮の内側をおおう粘膜を子宮内膜といいます。この子宮内膜と非常によく似た組織が子宮以外の場所に発生し、増殖していく病気が子宮内膜症です。
子宮内膜症が発生しやすい場所は、直腸と子宮のすき間(ダグラス窩)、膀胱と子宮の間(膀胱子宮窩)や卵巣、卵管、子宮筋層、骨盤腹膜などで、ミリ単位でポツポツと点在します。
増殖した組織は子宮内膜と同様、月経時に脱落し、出血を起こします。子宮内膜は月経血とともにからだの外に排出されますが、子宮の外で出血した組織には排出する出口がないため、おなかの中にたまって炎症を起こし、周囲の組織と癒着していきます。卵巣内に内膜症が発生すると、チョコレートのう胞と呼ばれる、血液が入った茶色い囊(ふくろ)ができます。
子宮内膜はエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用を受けて増殖します。エストロゲンの分泌が減少し、閉経すると子宮内膜症の病巣も小さくなり、症状もおさまりますが、子宮以外の場所に子宮内膜ができる原因はわかりません。月経血が卵管から腹腔内に飛び出し増殖する「逆流説」、逆流した月経血の刺激で腹膜が子宮内膜に変化する「仮性説」などの仮説に加え、エストロゲンのかく乱物質として環境ホルモンの影響も注目されます。
なお、子宮内膜症は内診、超音波、MRI、血液検査などで臨床的に診断されますが、腹腔鏡などで直接おなかの中を見なければ最終的な確定診断は下せません。
症状
まったく無症状の人もいますが、多くは強い月経痛をともないます。痛みはある時期から強くなり、年齢を重ねるにつれて増強されていくのが特徴です。ひどい場合は吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状をともないます。月経過多や不正出血が見られるケースもあります。
また、周囲の組織と癒着が起こると、月経時以外にも下腹部に痛みが生じたり、腰痛や排尿痛、性交痛などが現れるようになります。癒着によって不妊となるケースも少なくありません。
※子宮内膜症の治療については続編でご案内させて頂きますね!