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子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
2014年08月22日
子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
今日は子宮腺筋症について少し詳しくご案内させて頂きますね。
子宮腺筋症は何らかの原因により子宮内膜様組織が子宮層内に直接浸潤し、エストロゲン依存症に増殖するものと考えられ、子宮内膜症と同様に、子宮内膜様組織が月経の度に増殖及び剥離を繰り返し様々な症状をおこします。
主に30歳代後半~40歳代の経産婦に多く見られ、月経を重ねるごとに、増強する月経痛、過多月経、月経期間の延長などをきたします。
内診にて、びまん性に肥大した弾性のある子宮を触知します。
血中にCA125(卵巣がんの腫瘍マーカー)値の上昇が認められたり、エコーにて、子宮筋層の肥厚(ひこう)が認められたりします。
具体的な治療としては
症状の程度、年齢、挙児希望の有無に応じて治療法を選択しますが、根治療法は手術療法以外にはありません。
1.薬物療法
・NSAIDs(エヌセイズ鎮痛薬)…プロスタグランジンの合成阻害をするため
・低用量ピル
・低用量ダナゾール
※過多月経に伴う鉄欠乏性貧血には,鉄剤を投与します。
2.手術療法:子宮腺筋症切除術、単純子宮全摘術
〇疫学的には本症は30代後半から40代の経産婦や人工妊娠中絶などの何らかの子宮内操作を行ったケースに発症することが多く、原因の1つとして 分娩や子宮内操作を行った際、子宮筋層内に子宮内膜様組織が侵入することが考えられています。
〇現在は上記のようなケースだけでなく少子化、晩婚化の影響もあって20代~30代前半の未産婦にも増加しています。根治療法は単純子宮全摘術を 行うことですが、未産婦の場合、挙児希望が有れば手術は行えません。
〇子宮内膜症や子宮筋腫の合併の有無により、臨床症状が異なってきます。
〇妊孕性(にんようせい:妊娠のしやすさ)を残す手術として、子宮腺筋症切除術があります。対象となるのは、挙児希望があり、腺筋症が腫瘤形成型で ある場合です。腹腔鏡または開腹手術により腫瘤のみを切除します。子宮筋腫と異なり、正常筋層との境界が不明瞭であるため再発率が高くなりますが、約40%に術後妊娠が認められます。
何れにしても早期発見が大切です。
婦人科での定期検診をお勧め致します。
何かおかしいなぁーと思うような事が有れば迷わずに
婦人科で診察を受けて下さいね。