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「おりもの」についてのおさらい
2018年04月07日
以前にもお伝えしておりました「おりもの」について、今回は病的な「おりもの」の見分けるポイントや、「おりもの」の異常で判明する疾患を詳しくお伝えします。
「おりもの」のおさらい
「おりもの」とは膣内や外陰部の分泌液や粘膜が混じり、外に排出されたものです。女性から「おりるもの」ということで、「おりもの」とよばれています。誰しも女性であれば「おりもの」はありますので、「おりもの」自体は恥ずかしいことではありません。
そして女性ホルモンの影響に応じておりものは変化します。生理(月経)周期によって変化するだけでなく年齢によっても量が変わっていきます。
初潮~10歳代
初潮が始まるころから徐々に増え始めますが、まだ身体が未成熟で女性ホルモンの分泌が不安定なため、量の増減の差がある時期です。
20歳代~30歳代
女性ホルモンの分泌がピークを迎えますので量は多くなります。それ以後はほぼ安定します
40歳代~閉経
徐々に女性ホルモンの分泌が減少していきます。減少に伴いおりものの量も減少していきます。
閉経後
閉経して、数年で卵胞ホルモンがほとんど分泌されなくなりますので、「おりもの」も出なくなります。おりものが出なくなった時気を付けていただきたいことは膣内が乾き、自浄作用が弱くなってしまいますので、膣炎をおこしやすくなります。
重要なポイントは「量」「色」「匂い」
「おりもの」は女性器に異常をきたした場合に、異常のサインとして「量」「色」「匂い」に変化が出ます。
通常時では
- 量は、一日下着を替えずにいて平気なら、正常な範囲です。
- 色は透明か乳白色
- 匂いは酸性なので、ちょっと酸っぱいような匂いがします。
あまりにも量が多い、茶や黄色などの変な色がついている、悪臭がする、といった場合は何かしらの異常のサインである可能性が高いといえます。
「卵巣機能の低下」
「おりもの」に異常が出る病気や体の変化として原因と考えられるのが「卵巣機能の低下」です。不規則な生活やストレスなどが原因で卵巣の機能が低下してしまうことにより、膣内の自浄作用が弱まり、炎症を起こしてしまうのです。
「性行為感染症」
特に20代の女性に急増しているのが性行為感染症(クラミジア、カンジダ、トリコモナス膣炎など)です。中でもクラミジアは比較的、症状が出ないことが多いのですが、異常のサインとして「おりもの」が増えることがあります。心当たりがあればご来院いただき診療、検査を受けてください。
「おりもの」の異常は他の人と比べて、ではなくご自身の通常時と比較して判断しましょう。
普段とはちょっと違うなと感じたら、それは体からの異常のサインかもしれません。
急な「おりもの」の増量は体が疲れているんだ、と自覚して休養に努めてください。そして少しでも異常を感じるなら、早めに婦人科を受診してください。