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子宮頚部異形性

2016年01月08日

今回は「子宮頚部異形性」についてご案内いたします。dr

2015年末に、某有名女性弁護士がブログで罹患を公表し、テレビやマスコミで初めて知ったという方も多いと思われます。※ちなみにこの方は高度異形成でした。

がん細胞でもなく正常な細胞でもない?
主な症状は特になく、子宮頚部の粘膜に正常な細胞とは違う細胞が発生するもので、子宮頚がんの「前がん状態」ともいわれます。前がん状態といっても、正常な細胞ではなく、かといってがん細胞でもない細胞がある状態で、そのすべてが、がんに変化していくわけではありません。半数程度は自然に治るといわれています。
原因となるのは、子宮頚がん同様「ヒトパピローマウイルス」です。まれに不正出血なども起こしますが、症状がほとんどないため、がん検診(細胞診)をしてみてはじめて発見されます。性行為の経験があれば10代でかかるケースもあり、若い人にとても増えています。

細胞の変化の程度によって、軽度、中等度、高度に分類されます。高度になるほど、がんに変化する可能性が高くなり、高度異形性から子宮頚がんの0期(上皮内がん)へと進行します。異形性がみつかった検診を定期的に続けていくことが大切です。

子宮頚部異形成の比較

治療について
がんになる前に早く発見できたことは幸いです。がんに変化したとしても、早期なら比較的簡単な手術でほぼ100%治ります。3~6ヶ月に一度程度の定期健診を欠かさずに受け、病変を観察していくことが大切です。

軽度異形性の場合、多くは自然に治ってしまいます。そのため特に治療は行われず経過観察となります。原因となるウイルス排除には免疫力が重要です。食事や睡眠などに気をつけ、体や心にストレスをためないようにしましょう。

中等度異形性でも、軽度異形性となったり自然に治ったりするケースが多く、経過観察となります。定期健診をつづけ、中等度異形性の状態が長くつづくようなら、病巣部だけをとり除く円錐切除などの治療を行うこともあります。

高度異形性の場合は、中に上皮内がんがまざっていることがあります。がんへの進行を防ぐためにも、多くの場合、円錐切除術などを行います。円錐切除術後の妊娠では、早産の割合が若干高くなるという報告があります。

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