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子宮頸管炎
2014年11月28日
子宮頸管とは、子宮体部から膣へとつながる子宮頸部の内腔部分です。その内壁をおおう粘膜が細菌などの感染を受け、炎症が起こっている状態を、子宮頸管炎といいます。
膣を介して外界に通じる子宮頸管は、女性性器の中でも感染を受けやすい器官のひとつといえます。
そのため50%以上の女性は子宮頸管炎にかかった経験をもっているといわれ、特に出産したことのある女性の場合では60%以上に認められるといわれています。
しかし、子宮頸管にいきなり炎症が起こるケースはまれで、子宮頸管の多くは膣炎からの上行感染によるものです。
近年はクラミジア感染による子宮頸管炎が増加し、注目されていますが、ほかに淋菌や膣内に常在するブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌なども、子宮頸管炎を引き起こす代表的な原因菌です。
クラミジアや淋菌はセックスで感染しますが、常在菌の感染は、膣の自浄作用の低下によって起こります。とくに子宮膣部びらんがある場合、セックス、中絶、分娩などで子宮頸管が傷ついている場合は、感染も起こりやすくなります。また、タンポンやコンドームの出し忘れなども細菌の増殖を許し、子宮頸管炎の発生を促す誘因です。
子宮頸管炎は慢性化しやすい病気です。治療をせずに放置すると、感染はさらに子宮の中や卵管へと広がって、不妊の原因になったりすることもあります。頸管炎なら比較的早期に治すことができますが、炎症が奥に広がるにつれて症状も重くなり、治療にも時間がかかります。気になる症状がある方は、早めに婦人科を受診し、きちんと完治させておくことが大切です。